鈴木康朗
総務省は30日、大規模な通信障害が起きた場合でも、少なくとも110番や119番などの緊急通報はできるようにする方針を示した。障害時に利用者が他社の回線に乗り入れる「ローミング」について、警察や消防などからかけ直しをするための「呼び返し機能」がない方式も認める。
同日の有識者会議「非常時における事業者間ローミング等に関する検討会」で案を示した。「呼び返し機能」は法令で備えることが定められている。しかし、昨夏にKDDIが起こした通信障害では、通信網の中枢部分で不具合が生じ、緊急通報がつながりにくくなり混乱が広がった。この反省から同省は、「呼び返し機能」が実現できない場合でも、緊急通報に限ってローミングを導入する方針を決めた。
「呼び返し機能」が可能な場合については、一般通話を含めたローミングを実現させる方針を同省はすでに示している。携帯大手などは2025年度末までに実現させる計画だ。(鈴木康朗)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル